塗り獅子(唐獅子)と猫獅子(毛獅子) -香川県の獅子舞 –

 

大木獅子組[獅子頭(修理後)]
大木獅子組[獅子頭(修理後)]

 

香川県の獅子舞は、張り子の獅子頭が広く使われていますが、主に塗り獅子と猫獅子の2種類になります。

では、香川県ではどちらが多く使用されているのでしょうか?

 

獅子舞[ 香川県高松市 ]
獅子舞[ 香川県高松市 ]

 

周辺地域も含め、ほぼ猫獅子ばかりという地域もあります。
そのような地域では、地元以外でも、近辺の祭りでは猫獅子が多く使われているので、稀に見かける塗り獅子を見れば、ここは珍しい獅子組だと思うかもしれません。

 

本浦若連中 [ 坂出市瀬居町 ]
本浦若連中 [ 坂出市瀬居町 ]

 

それとは逆に、ほぼ塗り獅子ばかりという地域もあります。
そこの地域でも、周辺地域は塗り獅子ばかりなので、近辺で猫獅子を見ればここは珍しい獅子組だと思うかもしれません。

 

このように、地元以外の周辺地域でも、使用されている獅子頭は同じなので、それが当たり前で、あまり見かけないものは珍しいと映ります。

 

では、思い切って香川県全体で見てみるとどうでしょうか?

東讃は、猫獅子が多く使用されていますが、中讃に近づくほど、塗り獅子を見かけるようになっていきます。

中讃は、塗り獅子が多く使用されていますが、西讃に近づくほど猫獅子もチラホラと見かけるようになります。

西讃は、瀬戸内海沿岸沿いの地域は猫獅子を見かけますが、内陸の方では猫獅子もあれば、塗り獅子も使用されています。

地域で偏りはでますが、香川県全体で見ると、その数は塗り獅子も、猫獅子もそう大差なく使用されています。

ですので、どちらかが圧倒的に多く使用されているということはありません。

 

青木北山獅子組 [ 多度津町 ]
青木北山獅子組 [ 多度津町 ]

塗り獅子も、

 

村遣い2016
村遣い2016

 

猫獅子も、

どちらも香川県で多く使用されている、代表的な2種類の獅子頭だといえます(^-^)

 

ちなみに大木獅子組の場合は、夫婦獅子ということで雄が猫獅子、雌が塗り獅子と決まっています。
ですので、大木では猫獅子を見ると雄、塗り獅子を見ると雌という認識で小さな頃から慣れ親しんでいたので、他の地域で猫獅子を見ると、「あれは雄だ」とか、塗り獅子を見れば「あれは雌」だと言っていました(笑)

雄、雌というのは地域によって、あったりなかったりもしますし、西讃の一部地域では、茶色の猫は雌、黒は雄という使い分けもしていますので、地域によって様々というのは後になって知ったお話ではあります。

ただ、葛原は中讃地域にありますが、地元では両方ともあった獅子頭ですので、自然とどちらも好きになれたのは、偶然にしろよかったのかなと思います。

なぜよかったと感じるかというと、各地域を回っていると猫獅子も、塗り獅子も両方とも好きなので、どこへ行ってもテンションをあげて見れるからですが(笑)

まあ、ただのアホですね(笑)

 

最後に、西から東へと各地域を巡って、現地で見て肌で感じて思ったことですが、若干、塗り獅子の方が、香川県では多く使用されているのではないかという管理人の見解です。

もちろん管理人の勝手な見解ですので、なんの根拠もありません。
まだまだ行けていない地域もありますので、またこの考えも変わるかもしれませんが、とりあえず現在感じた感想ということで(^ ^)

 

里帰りをした小さな獅子頭

 

以前のブログでも書いた、宮武の小振りな獅子頭を預かる前に、一度、善通寺市の職人さんの松下のおっちゃんのところへ持って行き、宮武の獅子頭か見てもらうことにしました。

見てもらうなか、おっちゃんの昔話で盛り上がり、おっちゃんもこの手の獅子頭を以前作っていたのか、気になったので聞いてみました

おっちゃん曰く、

「依頼があれば県や土産物屋に卸してたが、ワシのはそんなに出回ってないぞ」

ということでした。

あればぜひ欲しかったところですが、依頼をすればそこそこはするということ

お金がない

結局、宮武の獅子頭とわかって、その後預かることになったというのはブログで書いた通りです。

↓以前のブログ記事はこちら
小さな獅子頭を通して感じる歴史

 

その続きがありまして、、、

なんと、そのおっちゃんの小振りの獅子がうちにやってまいりました(笑)

 

松下の獅子頭
松下の獅子頭

 

ほんと運がよかったというか偶然というか、結果的にうちに来たことになったのですが、うちにやってきたおっちゃんの獅子頭の出処は横浜市。

まさかの関東へお嫁に行ってたみたいで、それが功を奏したのか保存状態もとてもよく、月日が経った髪の毛の変色以外は本当に綺麗でした。

里帰りを果たした獅子頭をおっちゃんに見せねばと持って行ったのですが、おっちゃんも思い出したようで、どうやら昭和時代に製作した作品だそうです。

どこへ卸してたのかも判明したのですが、残念ながらそのお店は今は閉店をしていました。
当時卸してたところは、県外の方が多く訪れる場所だったらしく、依頼があればその店へ卸してたそうです。

「そこで買った客がいて、それで県外へ行ってたのかもしれんの」

とおっちゃんが言ってたように、おそらくそのような経緯で海を渡ったのだと思います。

何かこの獅子頭の歴史に少し触れられたような気がしました

帰り際に、

「買い取るぞ?」

と、笑顔で言われましたが、丁重にお断りさせて頂きました(笑)

 

松下と宮武の獅子頭
宮武と松下の獅子頭

 

宮武、松下の獅子頭を目の前にして思うこと、、、

あと、先代が制作した丸岡があれば完璧なんだけどなぁ~~

と、思いましたが、欲を出してたら来ることはないと思うので、ここは物欲を出さないことにします(笑)

 

両方とも、思ってもみなかった経緯で来た獅子頭ですし、大事にしていかないといけないですよね

 

おっちゃんの獅子頭、香川県へお帰りなさい

 

 

 

 

猫獅子完成!【 讃岐獅子頭】

以前、「工房蓮心」へお邪魔した時に制作を目にした渦の入った猫獅子が
ここ数ヶ月で着々と完成へ向けて進んでいってました。
猫獅子制作中【讃岐獅子頭】
僕は、完成へと近づいていく姿に大興奮(笑)
大木獅子組にも、猫獅子はあるので
小さな頃から大好きな獅子ではあったのですが
これまで渦の入った猫獅子は見たことがありませんでした。
ですので、いったいどんな姿になっていくのだろうと
見る度に妄想が膨らんでいきました(笑)
丸岡系の獅子頭にも、渦の入った猫獅子はあったそうです。
ただ写真活動をしていて、まだ出会っていないということは
それほど数は出ていないのかなと思われます。
しかも今回は、松下系の獅子頭。
まだ和紙を張り合わせたことがないままに眠っていた型で
その型が、初めて世に出るということで
こうして見れることに本当に嬉しく思いました。
そして、その獅子頭もとうとう完成。
猫獅子
細かなところで、蓮心さんのこだわりも見えます。
大木にも渦の入った猫獅子いいと思うんだけどなぁ。。。
など思いながら、完成した獅子頭にずっと見とれてました(笑)
猫獅子
今回、制作された猫獅子は
さぬき市造田神社の白羽獅子組さんのもとへと旅立つそうです。
舞う姿を撮影したいなぁ。。。
日程調整をしていかないと(笑)