鳴り物 【 鉦 】

香川県のお祭りを知ってもらえる機会になればと
立ち上げた企画写真展『讃岐祭』。

 

その活動の傍ら、
東から西へ、西から東へと県内各地を回っているのですが
200組近くの獅子組さんと出会えば、色々と発見もあったりと非常に面白いです。

 

例えば、鳴り物の鉦。

 

以前ブログで書いた獅子頭の違いと同じように
大まかにですが、広く見ると東讃、中讃、西讃で違いがあるなと
各地域を回っていて感じました。

 

各地域の文献や資料を調べたとかではないので
今回も、ざっと目を通してもらえる程度で読んでいただけると助かります(笑)

 

 

 

中組獅子保存会

【  中組獅子保存会 】

東讃は、上記の写真のように
吊り下げられた鉦を叩くスタイルが多く見受けられます。

 

リズム、獅子舞等、地域が違っていてもよく似ていたりと
東讃地域を回っていると、

「見たことあるなぁ」

「聞いたことあるなぁ」

という出会いがけっこうあります。

 

隣り合った地域同士で同じ文化が伝わったり、
そこから発展したりした影響かもしれませんよね。

 

 

 

 

 

葛原正八幡神社 南獅子組

【 葛原正八幡神社 南獅子組 】

中讃で多く見られるのは、
腰の辺りまでの高さの台に
吊り下げられた鉦と向き合って座って叩くスタイル。

 

稀に似たようなリズムのところもあるのですが
まったく違う獅子舞、リズムの地域でもこのスタイルが非常に多いです。

 

 

 

 

 

上方流松崎獅子舞若連中

【 上方流松崎獅子舞若連中 】

西讃では、地域によって鉦があったりなかったりと様々。
ただ祭りの時期に撮影で移動していると
東讃、中讃では鉦の音を聞くことが多いですが
西讃では、鉦よりも太鼓の音の方が多く聞こえてきます。

 

鉦がなく、上記の写真のように
リズムは太鼓のみの獅子組が西讃では多い印象があります。

 

 

 

 

手平鉦(チャッパ)

 

 

 

 

鉦がないところでは
上記の写真のような手平鉦(チャッパ)もあったりもします。

 

では、西讃で鉦がある地域の叩くスタイルはというと
中讃に多く見られるスタイルがほとんどですが
こういう鉦の叩き方もあるんだと
初めて知ったスタイルもありました。

 

 

 

 

横山神社 川東獅子組

【 高瀬町 川東獅子組 】

地元の鉦の叩き方に馴染みがあっただけに
この光景を見た時は驚きました。

 

地元の叩き方とは逆で、反対側の面を叩き
しかも鉦の淵の部分は叩いていませんでした。

 

でも、高瀬町近辺を回っていると
このような叩き方をけっこう見かけるんです。
しかも、高瀬町近辺で鉦がある地域に出会うと
多くが詫間町松崎地区の獅子舞のリズムと同じなんです。
でも、発祥元でもある詫間町松崎地区には鉦がありません。
詫間町松崎地区のリズムは、善通寺市の一部の地域
そして地元の葛原正八幡神社 西獅子組にも伝わっています。
では、地元の西獅子組は高瀬町で見た叩き方と同じなのかというとそうではなく
中讃地域でよく見られるスタイルです。
詫間町、高瀬町、善通寺市、多度津町、どれも隣り合っている地域。
鉦がない文化が、鉦がある地域へと伝わったことで
お互いに何かしらの影響をしあって、このような形になったのかもしれませんよね。
こうやって各地へ回ると。いろんな発見があります。
ちょっとした文化の流れにも触れることもできます。
普段、なかなか地元の祭り以外へ行くこともないと思いますが
うどん屋巡りもあることですし、祭り時期には獅子舞巡りというのも
いかがでしょうか??(笑)
その中に、ぜひ葛原正八幡神社の秋祭りも候補の1つとしてよろしくお願いします(笑)

 

香川県の獅子頭

香川県の獅子頭は、木ではなく和紙で作られています。

和紙なので軽く振りやすいというのが特徴の獅子頭flair

 

じゃあ香川県の獅子頭は、全て同じ?
と思いきや、素材が同じであっても
顔つきやら、色づかいやら、、、
その作り手によって個性が出ているので
違いが出ています。

 

香川県では、東讃、中讃、西讃と区域に分けられたりしますが
その区域で、主流の獅子頭が違っているという現状を
写真活動を通して目の当たりすることができましたeye

 

一部地域では、使われている獅子頭が違ってたりもしますので
大まかに分けると、と思ってくださいhappy01

 

まず香川県の獅子頭は、

 

宮武獅子頭商店(高松市)
松下獅子店(善通寺)
丸岡光信獅子頭製作所(三豊市)

 

の3つのお店で制作されていますflag

 

この時点で、お店も東讃、中讃、西讃と区域が分かれている、、、
ということは、まったくその通りで

 

東讃で多く見られる獅子頭は、宮武系の獅子頭sun

 

 

 

讃岐獅子頭

 

 

中讃、西讃で多く使われている獅子頭は、丸岡系の獅子頭sun

 

 

 

獅子頭『大木獅子組』

 

 

 

そして、中讃でも特に善通寺に多く見られる獅子頭は、松下系の獅子頭sun

 

 

 

砂古獅子組

 

 

 

写真ではなかなか違いを伝えることも難しいのですが
実物を並べることができれば見ただけでも、
顔つきが違うことにすぐ気づけます。

 

地元では、丸岡の獅子頭が主流でしたので
10代の頃、お隣りの善通寺の獅子頭を初めて見たときは
めちゃカッコイイやんsign03
と凄い憧れをもったことがあります(笑)

 

 

昔は今と違って、情報や移動手段なども限られていたと思いますので
近くのお店に依頼してきた結果、このように3つの区域で使われている獅子頭の違いが出たのだと思います。

 

といっても、職人さんがそれぞれの地域で一時代を築いてきたからこそできたことだと思うので、職人さんの技術による結果ともいえるかもしれません。

 

 

中、西讃にお住まいの方は、東讃のお祭りへ、
東讃にお住まいの方は、中、西讃のお祭りへ
ぜひ行ってみてくださいhappy01

 

地元の獅子、その周辺の獅子までしか見たことがないんでしたら
文化の違いにも目の当たりすると思いますが
まず獅子頭の違いに驚くと思います(笑)

 

なかなかに香川県の獅子舞文化は奥深いですshine