世代を超えて、思いを共有する

 

当ブログに、たまに書かせてもらうことがある善通寺市の獅子頭職人 松下のおっちゃん。

その松下のおっちゃんが手掛けた獅子頭は、20年、30年経っていても、まだまだ現役で使えるほど頑丈な獅子頭です。

ただ頑丈だといっても、月日が経ってば年季も入ってきます。
そのような年季の入った獅子頭も、職人さんの手によってかかれば、また新たな輝きを放ちます。

 

砂古獅子組(善通寺市)
砂古獅子組(善通寺市)

 

生まれ変わった獅子頭を初めて振る時は、とても緊張もしますし、気合いも入ります。

その獅子頭が新調されて、初めて獅子組の元に訪れた時も、同じように綺麗な輝きを放ってたのかもしれません。

その当時の世代の方々も、新調された獅子を初めて振る時は、とても緊張したのではないでしょうか。

獅子頭が生まれ変わることで、世代を超えて同じ思いを共有できるというのも、なんだか凄いお話だなと思います(*^-^*)

 

※写真は、善通寺市の砂古獅子組さんの獅子舞です。昨年、長く使われていた獅子頭を綺麗にされたそうす。

提灯

 

大木獅子組では、メンバー総出で秋祭りの一週間前に、大木の地区にある荒神さんで建てるものがあります。

それは、

 

御神灯
御神灯

 

「御神灯」です。

夜になると、明かりが灯る御神灯。

 

御神灯[ 大木獅子組 ]
御神灯[ 大木獅子組 ]

 

祭りの時期になると見れるこの光景はとても大好きで、普段は人影もいない荒神さんですが、その時期はどこか温か味を感じる場所になります。

その御神灯に吊るされている「提灯」は、獅子組で管理をしていますが、所々破けていたりと、そろそろ先を見据えないといけないのかなという段階に来ています。

そこで、提灯の相場などを知る為に、知り合いの方々からの情報を得て、善通寺市にある提灯屋さんへ行ってきました(*^-^*)

 

なかなか雰囲気のあるお店に歴史を感じる店構え。

対応をしてくれた女性に、色々とお話を聞くことができたのですが、古くは明治時代から続くお店。

代々家族で担っていたそうで、女性の方もお嫁に来てから提灯作りを手伝うようになり、現在まで続けているそうです。

 

提燈
提燈

 

今は、絵や文字は娘さん、仕上げはその女性と分担して提灯作りをしています。

と、話が昔のお話から現在のお話へとなっていますが、話している内容がとても興味をそそられるものだったので、実はだいぶ長居してしまいました(笑)

どんなお話だったかというと、、、

例えば、獅子頭と同じで提灯にもシーズンがあり、依頼の数が少ない時期がある。
なので、それだけでは生活は厳しいということで、昔は表具屋も営んでいた。

等々、、、

昔の職人さんの生活事情などを聞いていると、以前、善通寺市の獅子頭職人でもある松下のおっちゃんから聞いた昔のお話と通じるものがありました。

↓以前のブログで、松下のおっちゃん話を書かせてもらいました。
「昔の獅子頭事情」

昔の獅子頭事情

また、以前は周辺にも提灯屋さんはあったそうですが、それらのお店も辞めていったそうです。
現在、提灯作りができるのも、娘さんが絵を描いてくれていることで仕上げができるということ、逆に仕上げができなくなればどうなるか、、、
どちらが欠けても成り立たないのだと感じました。

今回の提灯屋さんのお話を聞いて、伝統工芸を続ける難しさ、それを伝える難しさを改めて知れたような気がします。

伝統工芸というのも、なかなかに難しい世界。

だからこそ、奥深さもあって作品を通して魅了されるのかもしれません(*^-^*)

 

本来は、提灯の相場を知る為に行ったはずが、出てくるお話が管理人にとって、とてもそそられるもので、ついつい質問などをしていると長居をしてしまった今回のお店訪問。

また提灯をお願いすることになる時は、ちょこちょこと顔を出すようになるかもしれませんので、またいろんなことを聞いてみたいです☆

突然の訪問でしたが、丁寧に対応してくれましてありがとうございました(*^^*)

 

 

香川県の獅子舞

 

ここ数年、新聞記事やイベント情報など、「香川県の獅子舞」という言葉をよく目にするようになっています。

ふと「香川県の獅子舞」とはなんだろ?
と、思ったので考えてみました。

このブログでは、大木獅子組のサイトではありますが、管理人が県内各地へと訪れた祭りや獅子舞を不定期ながら書かせてもらっています。
県内を西から東へ巡っていますが、どの地域もその土地柄の特色が出ていて、とてもいい刺激をもらっています。

 

あやうたふるさとまつり[ 2017年11月5日(日)]
あやうたふるさとまつり[ 2017年11月5日(日)]

 

「香川県の獅子舞」と一括りにして、それらの地域の獅子舞を説明できるのかといわれると、、、

正直自信がないです(^^;)

では、香川県の獅子舞を全体的に見て、全て共通しているところはどこなのか、、、

 

大木獅子組[獅子頭(修理後)]
大木獅子組[獅子頭(修理後)]

 

「張り子の獅子頭」

だと思われます
※高松市香西町や、古くからの獅子頭が伝わっている地域などでは木彫りの獅子頭を使用されていますが、ここでは広く全体的に見てということで、申し訳ありませんが割愛させていただきます。

いやいや、鉦や油単があるだろ!

 

獅子舞 [ 香川県仲多度郡まんのう町 ]
獅子舞 [ 香川県仲多度郡まんのう町 ]

という声も上がるかもしれませんが、鉦がない地域も沢山ありますし、油単ではなく毛の獅子も土器川周辺地域では多く見かけます。

獅子舞の系統によって、使われる鳴り物の種類も変わってきますので、全て共通して同じ使われ方をしている鳴り物は、香川県の獅子舞では今のところ見たことはありません。

 

「讃岐獅子頭」

香川は全国でも獅子舞の盛んな地域です。
神社の祭礼に使われる獅子頭は、顎、耳、取っ手など一部を除き、張子の手法が使われています。
粘土の型に和紙を張り合わせ、型抜きをした後、胡粉や漆で素地を作り装飾を施します。
軽量で丈夫な乾漆作りが大きな特徴です。

香川県のサイトでは、香川県の伝統工芸として獅子頭をこのように紹介されています。

「香川県の獅子舞」を紹介するのであれば、、、

香川県の伝統工芸でもある、軽量で丈夫な乾漆作りの張り子の獅子頭を使い、その地域に伝わっている獅子舞を祭事で奉納をしている。
獅子舞の曲や、使われる鳴り物、獅子の油単(獅子の胴布)は地域によって様々で、舞も含め地域の特色が色濃く出ている。

でしょうか?

もっとうまくまとめれる文章力があったらよかったのですが(^^;)

ということで、このようにあれやこれやと考えても、、、

これぞ香川県の獅子舞!

といえるような代表的な獅子舞を、地域によって文化が違う香川県では見つかるわけもなく、言うなれば、張り子の獅子頭を使った様々な系統の違う獅子舞が伝わっているのが、香川県の獅子舞のいいところ、というとこでしょうか(^^)

 

葛原正八幡神社 秋季大祭
葛原正八幡神社 秋季大祭

 

最後に葛原でまとめさしてもらいますが、葛原4組ともまったく違うリズム、獅子舞を毎年奉納をしているというのもこの地域の特色です。

大木獅子組の獅子舞も、似たようなリズム、舞いをしている地域と出会ったことはありませんので、その組の獅子舞で完結しているというのも、先代達が築き上げた葛原の特長的な文化なのかもしれません。

この小さな地域でさえ、それぞれの獅子組で違っています。
日本一狭い県で、様々な獅子舞が生まれたというのもなんだか凄い話だと思います。

 

結局は、香川県の獅子舞文化は凄いなとなりますね(笑)