秋祭りの始まり

 

香川県では、9月に入り徐々に秋祭りが各地で開催され、開催時期としては一番多い10月に入りました。

管理人も、秋祭りの始まりに合わして、今年はどこへ行こうかと悩みながらカメラを抱えて走り回っています(笑)

まずは、丸亀市綾歌町にある富熊地神神社へ

 

富熊地神神社 [ 丸亀市綾歌町富熊 ]
富熊地神神社 [ 丸亀市綾歌町富熊 ]
富熊地神神社 [ 丸亀市綾歌町富熊 ]
富熊地神神社 [ 丸亀市綾歌町富熊 ]
 

Google Mapに表示されない場所でしたので、場所を特定するのも苦労をしましたが、それも祭り巡りの醍醐味です

 

そして、秋祭りの下調べをしていると、思いがけない機会もあったりします。

高松市中間町の神社を散策していると、ふと鉦の音が、、、。

鉦の音へ向かっていくと集会所が

地元の方に、秋祭りの情報を聞くために声をかけたのですが、よかったら上がって見てきなと言って頂き会場に上がらしてもらえました。

 

中間町本郷自治会集会所 [ 高松市中間町 ]
中間町本郷自治会集会所 [ 高松市中間町 ]

 

貴重な経験ができました
ありがとうございました

 

これまで、沢山の地域のお祭りと獅子舞を見てきましたので、地域によって違う香川県の獅子舞の特徴を、ある程度はわかっていると思っていたのですが、まだ知らない獅子舞があるんだと気づかされる出会いもあります。

 

庄ノ宮神社 [ 高松市西春日町 ]
庄ノ宮神社 [ 高松市西春日町 ]
庄ノ宮神社 [ 高松市西春日町 ]
庄ノ宮神社 [ 高松市西春日町 ]
 

1人立ちの獅子舞は他の地域でも見たことはあるのですが、大きな長胴太鼓1つを中心に、鉦、篠笛というスタイルはあまり見たことがありません。

そのリズムも、初めて聴くリズム。

初めて見る獅子舞に、思わず見入っていました

こういう出会いがあると、凄くテンションが上がっちゃいます(笑)

 

まだまだ奥深い香川県の獅子舞文化。

10月は、いろんな地域の神社で盛大に秋祭りが行われています。

今年は、どこへ行こうか悩みながら、そして楽しみながら決めていこうと思います

 

 

女性の活躍

 

毎年、各地域のお祭りへ行っていますが、女性の担い手がチラホラと見るようになったなぁ・・・と思っていたのが、ほんの数年前。

ですが、ここ数年で一気に女性が増えていっているなという印象です

 

辨天組 [ 善通寺市 ]
辨天組 [ 善通寺市 ]

 

しかも、男性よりも元気なような、、、。

男性も負けてはおれないですよ(笑)

 

葛原正八幡神社 秋季大祭2016
葛原正八幡神社 秋季大祭2016

 

葛原も、もう10年近くにはなろうとしてるのかな?
おそらくそのぐらい前から女性もOKとなっています。

それまで、女性は参加できないという方針でしたが、時代と共にそうもいっていられないという状況になり、男女関係なく参加できるようになりました。

そもそも、なぜ女性が参加できないということになっていたのか・・・。

女性は穢れているから女人禁制と、ちょっと失礼でない?というような書き方で目にする場合もありますが、よくよく調べると、神事において血を流すことは穢れとみなされているそうです。

非常にデリケートなお話になりますが、女性には出産や女の子の日と、男性には経験できない体の変化があります。
なので、先ほど述べた「血を流すことは穢れ・・・」ということで、女人禁制となる1つの理由になるそうです。

といっても、女性だけと思われるかもしれませんが、さらに詳しく調べると、生傷を負って流血している男性が神域に入ることや、神域での狩猟なども同様な理由で禁止されているということなので、一概に女性だけということではなさそうです。

昔、葛原も喧嘩はありましたが、ごくごくたまに、他の地域でも祭り中に殴り合いなどの様子を見ることがあります

血を流すことはタブーとされる神事の方針に乗っ取ると、祭り中にしてはいけないことをしちゃっているので、血を流すような喧嘩だけは本当にやめた方がよさそうです(*_*;

それとこれは神事の場所にもよるとは思いますが、立ち入る場所は危険なところだから女性は立ち入らせてはいけないという意味で、女人禁制としている場合もあるそうです。

さらにさらに調べていくと、秋祭りは五穀豊穣を願い執り行わていることが多いと思います。

その五穀豊穣の神様は女性の神様が多く、神様が嫉妬してはいけないから、その領域に女性が入ってはいけないということで、女人禁制になったともいわれています。

海の神様でも、よく聞くお話ですよね。

では、男子禁制はないのか・・・。

実は、沖縄ではあったそうですよ。

このように、その地域や場所、由来で女人禁制となったり、歴史的な過程で変わっていく場合もあるので、その理由を問われると一般的に導き出すのは難しそうです。

ただ、前回にも書いたことですが、民族写真家さんにも教えてもらった「神事には全て無駄がない」という言葉のように、昔の人は意味を持たないものを神事に持ち込まないと思います。

男女差別だといわれたらそれまでですけど、意味があったから守られていたという過程を知っておく必要はあるのかなと思います。

じゃあ、女人禁制に戻そうといっているわけではありませんので、大丈夫です(笑)

歴史的な過程で変わっていく場合もあると考えれば、その時代で生きる人で話し合って決めたことは、それも文化の過程の1つだと思うので、時代と共に変化することは必要だと思っています。
でないと、今は存続も危ぶまれるような状況ですし(;^_^A

地元の神様もそれは見てくれているはずですので、道を外れた行動を取っていなければ、温かく見守ってくれていると思います(*^-^*)

 

実は、今回のこの内容はブログに書こうか少々ためらいました
やはりこのご時世、デリケートなお話でもあるので(^^;)

でも、このブログを見ているという方々がいるということを、間接的にではありますが聞くことがあります。

おそらく見てくれている人達は、同じ獅子舞をしている人達だと思いますので、こうして知ったことをブログを通して共有することもいいのかなと書かせて頂きました。

「神事には全て無駄がない」この言葉のように、神事で奉納する獅子舞も含まれると思います。

 

お祓い[ 氏参り(2016/10/14) ]
お祓い[ 氏参り(2016/10/14) ]

 

祭りを盛り上げる為や、楽しむ為に獅子舞があるわけではありません。

例えば、葛原では祭りの前にお祓いを受け、その翌日に各家を回るのも、お祓いを受けた獅子や太鼓ぶちが神様に近い存在として役割を担っているからだと思います。

 

村遣い2016
村遣い2016

 

 

それは、葛原以外の周辺地域も同じことがいえると思いますので、また何か知ることができた時は今後も知り得た情報を書いていこうと思います(*^-^*)

ただ、神事のことを追求していくと宗教染みてくるので、いつもどのように書こうか悩んでいますが(笑)

今後とも、懲りずに付き合っていってください(笑)

 

 

太鼓ぶち – 香川県の獅子舞 –

 

太鼓ぶち [ 大木獅子組 ]
太鼓ぶち [ 大木獅子組 ]

 

上の写真は、管理人が小学1年生の時に「太鼓ぶち」として、初めて大木獅子組として参加した年の写真です。

管理人にも、このような時代がありました(笑)

 

大木獅子組[ 家遣い ]
大木獅子組[ 家遣い ]

 

「太鼓ぶち」は、小学生の子供が綺麗な着物を着て、獅子の舞いと一緒に太鼓を叩く役目です。
地域によっては、「太鼓うち」とも呼びます。

当時、秋祭りも獅子舞もよく分からなかった管理人に、訳も分からず父親からリズムを家で教えられたのが、管理人の獅子舞への始まりでした。

 

大木獅子組秋祭りの練習2017
大木獅子組秋祭りの練習2017

 

練習は、本番の1ヶ月前から始まり、毎日会場へ行っては19時から21時までの練習。
管理人も含めて子供は4人。

当時は、今では考えられないぐらい厳しく指導された記憶があります(;´・ω・)

足の出す方向が逆だと、本来前に出す足を強制的に前に出されます。
踏ん張りが効かず、そのまま後ろへストーンと転んで強打(-_-;)

落ち着きなく騒いでたらもちろん怒られますが、獅子を出している時期は特に怖く、ふざけて油単を跨ぐようなら鬼のように怒られたものです(^^;)

もちろん獅子頭を触るなんてもってのほか!!

とりあえず、練習時の大人達は怖かったです(´;ω;`)
といっても、楽しい時もあったので、いつもそうだったわけではないですよ?(笑)

 

お祓い[ 氏参り(2016/10/14) ]
お祓い[ 氏参り(2016/10/14) ]

 

葛原のお祭りでは、お祓いを受けてから始まるお祭りです。

よく大人達も、祭りは「まずお祓いを受けてから」と言っていましたが、葛原ではお祓いを受けることで、神様に近い存在になるという認識が昔からある地域だと思います。

今は、練習の為に初日から獅子頭を出していますが、当時の大人達は獅子頭を出さずに座布団を使って練習をしていました。
本番が近づく頃合いを見て、獅子頭を出し油単を付けて、初めてそこで獅子に入って練習していた記憶があります。

太鼓ぶちも、練習時期は怒られたりもしましたが、厳しかった大人達も祭り中の太鼓ぶちに対しては、とても大切にしてくれました。

そのような地域性ですから、そりゃ獅子頭を触ったり、跨いだらこっぴどく怒られるのもわかる話です(;^_^A

でもそれが、子供達にも自然と身に染みて実感するきっかけになっていたのだと思います(*^-^*)

 

ここで、「太鼓ぶち」という役目がない地域もありますので、少しばかり「太鼓ぶち」はどういったものか、大木獅子組を一例にご説明をさせて頂きます。

 

大木獅子組[ 氏参り(2016/10/14) ]
大木獅子組[ 氏参り(2016/10/14) ]

 

大木獅子組の場合、主となるリズムは大人が叩く地太鼓(平太鼓)になります。

しかし、そのリズムの基本となるのが、太鼓ぶちの叩くリズムです。
その発展形が、地太鼓でもあり、鉦でもありというところなので、獅子舞の奉納を見て頂ければ、太鼓ぶちも、地太鼓も、鉦も、ほぼ同じリズムで叩いているのがわかります。

 

大木獅子組
大木獅子組

 

しかし、太鼓ぶちの場合はリズムを覚えればそれでOKということではありません。
ただ太鼓に向かって叩くというわけではなく、リズムに合わして様々な動作が入ります。

また、リズムの合間合間でする所作「芸」と呼ばれる舞いに近いかもしれませんが、それらも覚えないといけません。

大木獅子組の場合は「芸」は16個あります。

獅子組によっては、20個以上あったりもするので、まだ少ない方だと思います。

「芸」には、

■こしあて
■むねあて
■まえのけ
■まえぬき
■ししおこし
■いれかわり
■のし


というように、1つ1つに名称がありまして、型もそれぞれ異なります。

そこをきちんとしていなければ、練習時には大人達の雷が落ちていました(;^_^A

百聞は一見に如かずということで、、、

 

 

イベントの時の動画になりますので、本来の太鼓ぶちは二人一組で、一組ずつ獅子舞の時に太鼓を叩きます。

祭り中は交代しながら叩きますが、子供4人でずっとですから大人以上に大変だと思います。

管理人も通ってきた道ですが、大変な中、それほど苦痛と感じてはいませんでしたので、その時には既に祭りバカになっていたのだと思います(笑)

とにかく覚えることがいっぱいの「太鼓ぶち」。
大人達よりも、まずは子供からという練習もわかるお話です。

いったい誰が考えたのか、、、

今となってはわかりませんが、その「太鼓ぶち」は葛原だけではなく、お隣りの善通寺市にもありますし、香川県全体で見ると主に中西讃で見られる文化です。

「太鼓ぶち」があるということは、獅子舞はどこも一緒なのかというと決してそうではなく、獅子舞や使われている鳴り物は地域によって様々で、ただ「太鼓ぶち」という共通した役目があるということだけです。

獅子舞の文化が違うと、「太鼓ぶち」のスタイルの違いも表れます。

 

とんど焼き2018 [ 葛原正八幡宮 ]
とんど焼き2018 [ 葛原正八幡宮 ]

葛原のように着物にはちまきスタイルもあれば、

 

丸山八幡宮 秋季大祭 [ 善通寺市 ]
丸山八幡宮 秋季大祭 [ 善通寺市 ]

着物に花笠というスタイルもあります。

 

花の御前稲荷神社 [ 三豊市詫間町積 ]
花の御前稲荷神社 [ 三豊市詫間町積 ]

 

三豊市の沿岸沿いの地域では、唐様と呼ばれる中国風の衣装のスタイルもあります。

(法被の地域もありますが、様々な事情で法被に変わることもありますので、昔から法被だったというお話を聞くことがあれば、またその時にでもご紹介したいと思います。)

「太鼓ぶち」という文化だけでも、地域によって様々です。

そして、どれほどの子供達が、「太鼓ぶち」というその役目を担っているのか、、、。

中西讃の獅子組数だけでも、何百と超える相当な数です。

大木獅子組の場合は、多くても太鼓ぶちは4人ですが、それ以上の人数のいる獅子組もあります。
1組に最小で2人の太鼓ぶちがいたとしても、相当な人数の子供達がその役目を担っているのだと考えると、なんだか凄いお話です。

 

このように「太鼓ぶち」という役目は大変でありますが、その地域の獅子舞にとって大切な役目でもあります。

「太鼓ぶち」を経験した子供にとっても、その地域の文化に触れるきっかけにもなりますし、地元を大切に思う気持ちへと繋がることになっているのかなと思います。

管理人も伝える立場となった今、「太鼓ぶち」には本当に大切にしていかないといけないことは何なのか、行動でも伝えれるようなそんな大人になりたいと思います。