まさかの発見!!

 

以前のブログ記事に、葛原のお祭りでは
神社で舞う時や、行列の各所、お旅所と必ず2回ずつ舞うことを書きました。

↓以前のブログ記事はこちら
葛原正八幡神社での奉納は、獅子を換え2回舞う

葛原と同じような文化は、これまで出会ったことはなかったのですが
なんと発見しちゃいました

 

秋季大祭 木熊野神社[ 善通寺市中村町 ]
秋季大祭 木熊野神社[ 善通寺市中村町 ]

 

そこは、善通寺市中村町にある木熊野神社の秋祭り。

5組の獅子組が集まる木熊野神社では、境内でも行列でも必ず2回ずつ舞っていました。

 

辨天組 [ 善通寺市中村町 ]
辨天組 [ 善通寺市中村町 ]

 

何か雰囲気が葛原に似ているなと思っていたのですが、
行列中、舞う箇所では幟を立て、そして一斉に舞いだすところは葛原とまったく一緒でしたので、それで似ていると感じたのかもしれません。

ただ葛原とは違うところもありました。

先に出発しているお神輿が各家々を練り歩きお旅所へ向かいます。
お神輿がお旅所に着くのに合わして、獅子組もお旅所に集まりそこで初めて一斉演舞が始まります。

 

秋季大祭 木熊野神社[ 善通寺市中村町 ]
秋季大祭 木熊野神社[ 善通寺市中村町 ]

 

葛原もそうですが、多くの秋祭りでは神社から獅子舞が始まります。
お旅所から獅子舞が始まるというのは、初めて見ましたので大変驚きました。

ここ数年で、けっこういろんな祭りへ行ったと思っていましたが
まだまだ知らない祭りはありそうです

 

幟(のぼり)文化 Part.2

 

以前のブログで、葛原の幟文化について書きましたが
その周辺地域にもあると少しばかりご紹介もしました。

↓以前のブログ記事はこちら
http://sanuki-shishimai.info/blog/2015/06/17/post_195/

秋祭りになると、多度津町、善通寺市で大きな幟を見かけます。
丸亀市や琴平町の一部地域でも見かけます。

神社の沿道に並ぶ幟とは別に、各獅子組で持っている背丈以上の大きな幟。

その使われている生地も、沿道に並んでいる幟とは違ってしっかりとした厚手の生地で作られています。刺しゅうも入ってたりしますので、肩に担げばずっしりした重量を感じることができます(笑)

 

葛原正八幡神社【仲多度郡多度津町葛原】 秋祭り[大木獅子組の幟]

 

本祭りでは、その幟を立て掛け獅子舞をする光景を神社で見ることができます。

 

西木熊野神社【善通寺市】 秋祭り[ 西木熊野神社(善通寺市)]

 

大木獅子組の祭りの準備では、道具と一緒に幟も準備できているか必ずチェックをしますので、幟は獅子と同じように大切な物の1つとなっています

僕が知る限りでは、幟文化は中讃地域、主に、多度津町、善通寺市、その周辺地域に限られた文化だと思われます。
幟は、祭りの進行を見ていると各地域によってその役目も違ってたりします。

例えば、丸亀市にある中津八幡神社の秋祭りでは、行列の時に獅子ではなく各獅子組の幟が神輿の後ろに付いて進んでいきます。

 

中津八幡神社【丸亀市】 秋祭り[ 中津八幡神社(丸亀市)]

葛原では、獅子と一緒に幟も持っていくので、幟だけが移動していくということはありません。
地域によって使われ方も違うのだと、その光景を目の当たりした時は驚きました

さらに同じ多度津町の春日神社の秋祭りでは、幟と一緒に別の物を見ることができます。

 

春日神社【仲多度郡多度津町山階】 秋祭り[ 春日神社(多度津町山階)]

吹流しです。

このブログでも度々出てくる水野さん曰く、
幟と一緒にある吹流しは、多度津町山階でしか見たことがないと
初めて見た時は驚いたそうです。

 

このように地域によって、独自の色を出している幟文化。
個人的には、祭りの派手さを演出してくれますので好きな文化でもあります

今後も、各地域のお祭りで見かけた時は、どのような使われ方をしているのか見ていきたいと思います

 

 

昔の獅子頭事情

善通寺市にある松下獅子店。

 

最近、お邪魔をしにいった時のこと。
おっちゃんから、県内の職人さんが掲載されている本を見せてくれたので見ていると
おっちゃんが若い頃の写真も掲載されていました。

 

松下獅子

 

写真には、面や、獅子頭が沢山並んでいました。
若い頃から、面や獅子頭の制作に携わっていたんだと関心しながら見ていたんですけど
よくよく見ると獅子頭が少し小さい!?

 

おっちゃんに、

「これ小さくない?」

と聞いたところ

 

今は、獅子頭の修理や新調など依頼は来ていますが
過去には、僕達が使っている獅子頭のサイズが売れなかった時代があったそうです。

 

職人として仕事をしている以上、売れなければ生活ができません。
小さなサイズの獅子頭などを制作してそれを販売したり、お土産屋に卸したりしてたそうです。

まさかそのような売れない時代があったなんて思ってもみなかったので驚きました。

 

偶然ですが、その話をしている時に当時の値段表も出てきました。

 

松下獅子店

 

サイズも、極大~小までと様々で値段だけ見ると数百円~数千円と安い

と思ったのですが、当時の値段ですので仮に現在も販売するとなると桁は違ってくるとのこと。

そりゃそうだ

値段表と一緒に写っている獅子頭は、小ではなくさらに小さい極小というサイズで販売してたそうです。

その極小サイズの獅子頭を制作していた当時のエピソードなど、色々と聞かせてくれたのですが
今では難しいことなんだろうなと思うような内容も出てきたり、とても面白い内容のお話でした(笑)

 

現在は、ダカの面や、獅子組で使う獅子頭の制作に追われている日々なので
今の現状しか知らない僕にとっては、そのような時代があったことに驚きました。

その時代時代で、制作現場の事情も変わっていったんだと
少し歴史に触れることができたような気がします

 

ちなみに、今はお土産屋さんに卸すような獅子頭とかは制作していません。

あればちょっと欲しかったんですけど、
時代が違うので仕方がないと諦めました(笑)