民族写真家さんから学んだお祭りとは

 

昨日、善通寺市美術館で開催されていた写真展へ行ってきました。
その写真展は、四国四県の民族行事の写真を撮り続けている森本耕造さんの写真展。

管理人も、県内のお祭りの撮影に回っているので、現地で森本さんと偶然にお会いする機会も多々ありました。
そのようなご縁もあり、現地でその地域のお祭りのことを聞きながら撮影できたりと、色々とお世話になっております(*^_^*)

善通寺市美術館での開催は、今年で10回目。
民族行事の写真展を善通寺市美術館で開催するのは、10回までと決めていたそうです。
そして、その最後の節目となる第10回目の写真展が昨日で終わりました。

 

森本耕造写真展 [ 善通寺市立美術館 ]
森本耕造写真展 [ 善通寺市立美術館 ]

 

今回の写真展のテーマは、「弓」。

地元の葛原正八幡宮や多度津町内はもちろんのこと、周辺地域でも行われている「百々手祭」。

無病息災や、大漁・豊作、海上安全などを祈願して、社前で弓射儀礼が行われる神事です。
中・西讃では多くの地域で行われている行事の1つですが、四国四県でも行われています。
その四県で行われた神事の様子を、今回の写真展で見ることができました。

展示されている写真の中に、おにぎりを地元の方々みんなでにぎっている様子の写真がありました。
あとで聞いた話ですが、その数は75個と決まっているそうです。

地元の方はなぜ75個作る必要があるのか、その理由は知りません。

昔から75個と決まっているからという理由で受け継がれ、現在でもそれを守り続けているということだそうです。

森本さんは、75個という数から「七十五膳」だと思い浮かんだそうです。

神社の祭礼時に、神前に捧げられる神饌・供物として、75種類、もしくは、一つのものを75個用意するということから「七十五膳の神饌」と呼ばれ、地域によっては、飴玉を75個用意するところもあるそうです。

森本さん曰く、神事の全てに無駄がない。

その言葉には、深く心に響きました。

先ほどのおにぎりを75個という数にも意味があり、地元の秋祭りでいえば祭りが3日間開催されていること、獅子舞の奉納にしろ、行列にしろ、その1つ1つに意味があるということ。

なぜそうしているのか、今はわからなくても、それがずっと受け継がれてきたということには、必ず意味があるからなんだと思います。

これまで、沢山の獅子舞を各地域の神社で見てきて、本当にかっこいい獅子とはと考えさせれるようになりました。

 

大木獅子組[ 氏参り(2016/10/14) ]
大木獅子組[ 氏参り(2016/10/14) ]

 

今は、地元で奉納をする意味を深く考えた上で、地元に対する思いを乗せて舞う獅子舞がかっこいい獅子だと思っています。

しかも、そのかっこよく舞える場所は地元です。

色々とイベントでの獅子舞を見てきましたが、神社で舞う同じ獅子舞であっても、不思議とイベントではまったく印象が変わるので、本来の姿を見ることはできないと、これまで感じてきたところです。

香川県の獅子舞は、動きの激しい獅子舞もあれば、逆にあまり動かない獅子舞もあったりと様々ですが、本来舞う場所での獅子舞であれば、舞いに思いがあれば、どのような舞いであっても魅了できるものがあると思います。

実際に、県外で見たことがあるのですが、ほとんど動かない舞いなのに、舞い手から伝わってくるその雰囲気に引き込まれる獅子舞を見たことがあります。
あの時は、本当に魅了されました。

心がけるのは、外への意識ではなく地元への意識を持つこと。

学生の頃は、大木獅子組を見てもらいたいという思いが強かったですが、その時は、地元ではなく外への意識が強かったのだと思います(^^;)

まあ若かったから、それはそれでいいのかなと思いますが(笑)

とまあえらそうに語っていますが、管理人自身まだまだ、、、

いや、、、

まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ・・・

という獅子舞しかできていませんので、全然理想としている獅子舞には辿り着けていませんが(´;ω;`)(笑)

 

今回の写真展で、森本さんから色んなお話を聞くことができました。

同じ写真活動をしている身としても、とても勉強になりましたし、獅子組に所属している身としても、お祭りで獅子舞の奉納をしているということに対しての意識を、さらに強くさしてくれたと思います。

森本さんの今後は、まだ決まっていないそうですが、また機会があれば色々とお話を聞かせてもらいたいです。

またその時は、よろしくお願い致します(*^-^*)

鳥取県の麒麟獅子舞と香川県の獅子舞

 

以前、鳥取県の麒麟獅子を見に、2、3年程かけて見に行ったことをふと思い出しました。

こういう獅子舞があると、見せてくれたとある画像。

これが獅子!?

と、見た瞬間に思わず口に出ました(;゚Д゚)

これまでの獅子舞というイメージを大きく変えさせてくれた「麒麟獅子」。

これは、一度見に行かねば!!

 

麒麟獅子 [ 田後神社(鳥取県) ]
麒麟獅子 [ 田後神社(鳥取県) ]

 

ということで、行ってきました(笑)

麒麟獅子は、その名の通り麒麟がモチーフになっていまして、顔は金色で角もあり、耳が逆立っているのが特徴です。

香川県でいえば油単に当たる胴幌は赤色で、背筋の部分は黒色です。
麒麟獅子舞には必ずといっていいほど、猩々がいます。

麒麟獅子もそうですが、猩々のお面も地域によって顔つきは違っているので、どの地域へ行っても必ず猩々の顔を覗き込んで見ていた管理人です(笑)

 

千谷麒麟獅子舞 [ 秋葉神社(兵庫県) ]
千谷麒麟獅子舞 [ 秋葉神社(兵庫県) ]

 

鳥取県内と、鳥取県の県境に近い地域の兵庫県の麒麟獅子を見に行きましたが、どこも他とまったく違う麒麟獅子舞をしていると見受けられるようなところはなかったです。

どの地域も、地域によって色はありますが、若干の違いはありつつも、これまで聞いたことや調べたことと、当てはまるような獅子舞をしていました。

いくつか見た中で、凄く印象に残っているのは宇倍神社での宵宮です。

 

麒麟獅子舞 [ 宇倍神社(鳥取県) ]
麒麟獅子舞 [ 宇倍神社(鳥取県) ]

 

そこで見た麒麟獅子は、その舞う姿に凄みを感じさせるような獅子舞で、神事での獅子舞は何ぞやと、あらためて考えなおされた舞でした。

 

麒麟獅子舞 [ 宇倍神社(鳥取県) ]
麒麟獅子舞 [ 宇倍神社(鳥取県) ]

 

実は、場所や日程を間違え、ただ鳥取県へ行っただけという年もありましたが((笑))、これぞ神事というような雰囲気の中での宵宮や、各地域の現地の方の優しさにも触れたりと、麒麟獅子の旅は、今の管理人の活動の糧となるいい旅でした。

 

では、同じく獅子舞のある香川県の場合、舞や、そのスタイルを説明しただけで、鳥取県の麒麟獅子舞のように、これぞ香川県の獅子舞!と説明できるのか、、、

それはこれまでのブログでも書かせてもらってますが、とても難しい、、、(;_;)

まず、西讃

 

八幡神社・須賀神社 [ 三豊市山本町 ]
八幡神社・須賀神社 [ 三豊市山本町 ]

 

東讃

 

男山神社 [ さぬき市 ]
男山神社 [ さぬき市 ]

 

西と東とで、まったくもって同じスタイルの獅子舞をしていないということ。

中・西讃の獅子舞しか見たことなかった管理人が、初めて東讃の獅子舞を見た時は、なんだこれはと大変驚きました。

その驚きは、他の県でこんな獅子舞があるんだと驚かされる印象と、同じだったような気がします。

それだけ違うということは、中・西讃と東讃とでは文化的に違うのかもしれません。

中・西讃の文化圏、東讃の文化圏で生まれたスタイルの違う獅子舞が、それぞれの地域で伝わっていったと想定すると、しっくりと当てはまるような気がします。

もちろん、中讃、西讃、東讃と見ても、地域で大きな違いはあります。
さらに細かく市町村単位で見ても、さらに違いが見えてきます。

このような香川県の獅子舞事情なので、鳥取県では麒麟獅子舞の説明がつくのに、香川県ではそれがなかなかできない、、、

となるわけです。

しかし、なぜこのような様々な獅子舞が、この小さな県で生まれたのか、ほんと不思議な県だと思います(笑)

県民性なのでしょうか?

はたまた地域性なのでしょうか?

歴史的な背景も含まれるかもしれません。

ですので、中途半端に伝えようとすると、

いやいや、一緒にしてほしくないんだけど、、、

という地域の声も上がってくることになりかねないので、管理人も写真活動をしている以上、そうならないように地道に県内の獅子舞を知っていく必要があるなと感じています。

どこへ行っても新しい発見ばかりの香川県の獅子舞。
そこが管理人にとって感じる、香川県の獅子舞の魅力なのかもしれません(#^^#)

まだまだ何年もかかるとは思いますが、いつかはうまく香川県の獅子舞をお伝えできればと思っています(*^-^*)

もちろん、地元の葛原のことも詳しく知っていきたいと思ってもいます☆

 

 

 

そうそう!!

麒麟獅子のお話で出てきた猩々ですが、実は、香川県にも猩々はいます(^^)

 

御神楽
御神楽

 

 

それは、お神楽で登場する猩々です。
香川県の猩々の面も、鳥取県の猩々と同じで赤塗のお面です。

お神楽で舞う猩々の舞は、香川県にしかない文化だそうですが、鳥取県の猩々と香川県の猩々、お互いに似たような顔つきのお面を見ていると、何か繋がりがあるのではないかと気になって仕方がありません(笑)

 

 

現地でしか見れない獅子舞 – 香川県の獅子舞 –

 

4月に入り、桜も満開です。

秋祭り程多くはありませんが、4月に入れば、毎週のようにどこかしらの地域では春祭りが執り行われ、獅子舞の奉納を目にすることができます。

管理人も、昨日、三豊市三野町にある「荒魂神社」へ行ってきました(*^-^*)

 

 

荒魂神社 [ 三豊市三野町吉津 ]
荒魂神社 [ 三豊市三野町吉津 ]

 

そこは、山の中腹にある神社で、拝殿へと向かう山へと続く階段沿いの桜の木は満開で、とても雰囲気のある場所でした。

訪れた時には、既に神事が執り行われていましたが、拝殿の前には獅子や道具が設置され、奉納の出番を待っている状態でした。

獅子舞を奉納をするのは、荒魂神社若獅子連さん。

みとよ獅子舞フェスティバルで、荒魂神社若獅子連さんの獅子舞を見たことがあるのですが、実際に地元の神社で見るのは今回が初めてでした。

神事も終わり、獅子舞の奉納が始まりました。

 

 

荒魂神社若獅子連 [ 荒魂神社 ]
荒魂神社若獅子連 [ 荒魂神社 ]

 

満開の桜の木を背景に舞う獅子舞。
この時期でしか見れない光景です。

桜の木の下で舞う獅子もいいなと思いながら見ていたのですが、ふとあることに気づきました。

以前に、みとよ獅子舞フェスティバルで見た獅子舞とは、同じ獅子舞のはずなのに印象が違っていました。

これまで沢山の地域の獅子舞を見てきて、ここ最近感じていたことでもあるのですが、やはりその地域で生まれた獅子舞は、その生まれた場所で見るのが一番いいということです。

その土地の雰囲気、空気感というものは、そこに住む人達が作り出してきたもので、そこで生まれ育ってきた人達は、自然とその土地柄が体に染み込んでいるのだと思います。

地元の神社で舞う獅子舞は、その土地で育ってきた人達だからこそ活きてくるのだと思います。

管理人が、みとよ獅子舞フェスティバルで見た獅子舞と違う印象を受けたというのは、そういうところの違いがあったからなのかもしれません。

香川県の獅子舞を本来の形で見るのであれば、どの地域の獅子舞も、現地でしか見れない獅子舞なのかもしれません。

 

今回、管理人の個人的な写真活動で訪れましたが、荒魂神社若獅子連さんからお声もかけて頂き、じっくりと春祭りを見させてもらうことができました。

ありがとうございました。

 

しかし、、、大木獅子組は、葛原ではどのような雰囲気を持っている獅子組なんだろ?

少し気になるところです(笑)